わたしは40歳になる頃まで、ずっと希死念慮にさいなまれて生きてきました。
今は、色々な事を試してきた結果、希死念慮も、うつの症状にも陥らないようになりましたが、幼いころから何度も自殺未遂をするような母や、社会不適合で警察のお世話になるような兄(彼も毒親の被害からこうなってしまったのですが)がいたりと、機能不全家庭の家族との共依存で、何度もうつになりました。
というか、ずっと精神疾患を抱えていました。
私の体験した辛い過去や、その時々でどんなふうに回復をしてきたかや、その時に役立った本を、少しずつご紹介したいと思います。
この記事でご紹介するのは、私の精神疾患生活の中でも3度、「もう、生きるのは辛い」「本当に無理だ」と、深く深く闇の中にいた時期に手にした本の一冊でした。
- 活字(本)を読めるような精神状態じゃない
- SNSやニュース見るだけで苦しい
- 自分がどうしたらいいかわからない
- もう随分笑っていない
- 自分の気持ち(の取扱い)がわからない
こういった方におすすめします。
何故そう思うのかを順番に解説していきます。少し長くなりますが、お付き合いください。
活字が読めない人
活字が読めなくてつらい方へ
これは実はマンガなんです。絵も優しいです。ので是非。
少しは活字も大丈夫、な方へ
私の実体験を続けます。
私は幼いころから本が大好きでした(マンガも好きですが)。
新しい情報を本を読むことによって深く知ることができたり、小説などの物語の世界の中にいることで、つらい現実からトリップできる本が大好きでした。
仕事が忙しくても、月に数冊、基本的には1か月に3~10冊ほどの本を30年程読み続けてきていました。
ところが、いずれ記事にしますが、ある事件があった折に、一切のメディアをうけつけなくなりました。
その時は仕事をかなりセーブして(というかせざるを得ない状況)いたのですが、どうしても仕事をしなくてはいけないことになり、直近の仕事関連の情報を確認しようと新聞を手に取りました。
でも、読めない。
字は読めるのですが、内容が読み進めるそばから滑り落ちる感じで全く入ってこないのです。驚きました。
ああ、私は今、文字や情報も受け付けないのだ
と落ち込みました。(今はこうしてブログを書いているのが証拠で、回復しています)
そして、これではいけないと、当時の自分の疾患について書かれている本を手にしましたが、入ってこない。その中で、この1冊は、漫画だったこととや、やさしい言葉が紡がれていました。
この1冊を何度も読み返しながら、心を癒していきました。
SNSやニュースを見るだけで苦しい
自分がつらい時に、今はSNSなどで同じような境遇の方とのコミュニケーションをとっている方も多いと思います。
私も、共依存関係用のTwitterアカウントを持っています。
しかし、その中には、今自分がとても辛く落ち込んでいたりする時に、目にするだけで悲しい気持ちになったりするケースもあります。
言葉は口にしたり目にすることで、脳神経をたどり、自身の中に記憶していきます。
つらい体験の真っただ中にいる最中に、さらに辛い言葉を目にすることで、自分自身を傷つけてしまうことも、あります。
この本は、優しい言葉が連なります。
自分で悩んでいることや、苦しんでいるコトバが登場し、
それは大丈夫、いいんだよ。と。
情報につかれてしまっている時に、癒しになる1冊です。
誰かの励ましの言葉が上滑りしたり、その励ましの言葉に傷つくこともあれば、
幸せそうだったり、頑張っている人の様子に、自分を責めてしまうこともある。
これは、機能不全家庭や毒の人と過ごしてきた人の特徴です。これが、共依存だから。
でも、これには厳しい言葉や書かれていません。
〇〇しなくちゃなんてしなくていいんだよ。
ということが、表紙にもあるブタとブッタによって展開されて行きます。優しく。
前向きになりたいのに自分の気持ちがわからない
- 何をしても苦しい
- 一生懸命にやってるのにうまくいかない
- 頑張ってもわかってもらえない
- どうしていいのかわからない
- どうしたいのかもわからない
そんな気持ちでずっと私は生きていました。
そして、自分を変えようと思ったり、自分の気持ちに素直になろうと、言葉ではわかっていましたが、実行しようとすると今度は
- 何をしたいのかわからない
- 本当の自分はどうしたいのかわからない
- 自分らしいってどういうこと?
- 私って空っぽなの?
と悲しくなり、落ち込んだりもしていました。
落ちている時の思考は、心の中はこんな言葉でいっぱいでした。
そんな気持ちを代弁するかのように、私のアタマの中にある不安な感情がこの本には描かれています。
かつての私がこの本で大切だ・救われると思った箇所の一部抜粋
わからないことがあって
どうしてもわからなければ
わからないままに
しておくといいよ
わかろうとして結論を出すと
思い込んでしまったり
まちがった考えに陥るわからないことが
あってもあたりまえ(引用元:なやんでもいいよとブッタは言った26頁)
本当にそうなんですけれども、つらい時にはそう思えない。
でも、この本は4コマ漫画でほとんどが展開されています。
そして症の終わりに、こういった言葉がかかれています。
SNSで見かけると傷ついてしまうことがあるコトバも、表紙にあるようなブタとイラスト入りで書かれているので、やさしく心に届いたと思います。
その時も癒されている実感はありましたが、今思うと、無意識化でゆっくりと心に染みていた、と改めて感じています。
心はどんどん変化する
永遠に変わらないものじゃない
(引用元:なやんでもいいよとブッタは言った82頁)
こころがおだやかになると
自分の姿が見えてくる
(引用元:なやんでもいいよとブッタは言った86頁)
ボクたちは
立ち直れる力を
持っている(引用元:なやんでもいいよとブッタは言った128頁)
おわりに
久しぶりに読み返してみて、ああそうだな。と改めて思うことがたくさんありました。
この本を始めて手にしてから何年もたちます。
もう家族から盛られた解毒は殆ど終わって、穏やかな毎日を過ごしていますが、それでも時折、小さな毒のカケラを見つけては、それを抜き、日常に戻る日々です。
体中にしみこんだ毒はもうなくなりましたが、まだその傷跡がうずくこともあります。
それでも、今は、その傷跡や、かつての母との思い出を静かに受け止め、自分自身を大切にしながら過ごしています。
どうしていいかわからない。でも、自分でどうにかしたい。
そんな方は、一度手に取ってみることをお勧めします。