
毒親のいる機能不全家庭で育った方の中には、摂食障害や自傷行為、抜毛癖のある方が多いように思います。
私もかつてはそういった行為に及んでいたことがありました。
母の対決、そして母の自殺から立ち直り、現在はそういった行為に及ぶことはなくなりましたが、今なお苦しんでいる方に、かつての経験者としてお伝えしたいと思い、本記事を書きます。
私の詳しいプロフィールがご覧になりたい方は、下記の自己紹介をご参照ください。
https://utacu.com/profile/
毒親育ちで自分を傷つける行為をしてしまう人へ
毒親や毒の家族の中で過ごすと、自分の意見というものがなくなります。
正確には、毒の人たちに自分を殺されます。
自分の意見を言う事は許されない。親のいう事が全て。この世の正義で、親の思う通りに行動することを強いられ、判断軸が親の価値観に染まります。
どんなに辛くても、親の都合で振り回され、家族のための人生を幼いころから送るようになります。
そして、押し込められた本当の自分の苦しさに気づくことさえできないほど感覚は麻痺し、自分自身が辛いのにそれが分からなくなります。
日常から圧倒的な精神的な負荷をかけられ、生活する中で体力的にも精神的にも振り回されているため、自分のストレスをどう発散させていいカモ分からなくなります。
無意識化で髪の毛やまつ毛を抜いてしまう抜毛癖がついたり、拒食や過食に走ったり。ひいては、自傷行為に及ぶようになります。
その行為の根本原因をみつめる
こういった行為に及ぶ、おおもとの原因は、機能不全家庭で育っていることです。
機能不全家庭で育ったことや毒親との関係をすぐに解消することはとても難しいです。
ただし、根本的な原因は、自分自身の生い立ちにあることを自覚する。ストレスがかかると、こういった行為に及んでしまうのは、毒に侵され、本当の自分がどうにか自分を保つために行っている行為なのだと理解してあげることが大切だと思います。
自分の心を癒すことを優先する
毒の人に傷つけられ、押さえつけられてきたあなたは被害者です。
どうかご自身を大切にしてほしい。癒してあげてほしい。
自分を大切に、と言われても、わかっているけれどもやり方が分からない。
ずっと自分自身を、最も身近な親から虐げられてきたのだから。
それでも、自分の心を癒すことを、優先してあげてください。
自分の心の癒し方が分からない方は、自分が苦しいと思うことに、気づけるように練習をしてみてください。
自分の心の声を押し殺してずっと生きるように訓練されてきた人生、とても難しいと思いますが、少しずつ、いやな気持に気づけるように、自分の心に耳を傾けてみてください。
最初はできなくても、少しずつ、ゆっくりと、始めてあげてください。
3-1.ストレスの直接原因と距離をとる
根本的な原因は「毒親」との関係から構築された「毒の思考」によるものです。
根本原因を解決するには時間もエネルギーもかかりますので、すぐにはできません。
それでも、直接原因となっている表面的な事象が必ずあるはずです。
その原因を確認して、自覚する。そして、距離をとると決めて実行する。まずはそこから始めてみましょう。
実例を2つご紹介します。
ケース1
挨拶をしても機嫌が悪いと無視される
気に入らない頃があると攻撃的な態度をとられる
<対策>
無理ににこやかに対応する必要はなく、最低限、クールに挨拶をしたり、機嫌が悪い時には、そのまま放っておく。
などです。
<毒の思考を観る>
毒親育ちはつい、毒をもつ人が周りにいる時に、条件反射で親との関係をそこに適用させて、機嫌を損ねないように無理をする傾向がありあす。
まずはそれをやめるだけでも、ストレスは減っていきます。
ケース2
レッスンの内容自体は良いのだが、その先生の人柄に少し癖があり、レッスンを重ねるたびにストレスがかかる。
先生を変えたいが、紹介者や先生に失礼に当たらないか気になり、いやいやレッスンを続けている。
<対策>
さらっと別の先生のレッスンの体験などを申し込んで、自分に合う先生を探す。
見つかったら、「仕事の都合で」など差しさわりのない理由を言って、その先生のレッスンをお断りする。
紹介者と先生はどんなにナカが良くても、毒のない人であれば問題にならない。
また、紹介者や先生が毒の人であればなおのこと、毒の人を自分から遠ざけられたのでむしろラッキー。
<毒の思考を観る>
毒親から、毒親のいう事は絶対。という思考を植え付けられているので、断るという事ができない。
普通の人は、「嫌な事」「気が進まないこと」は断っても何とも思わないとうことを、毒親育ちは知らない。
断る、人を変える(毒親以外を選択する)ということは、毒親の機嫌を損ねることになったから。
これも毒の思考。割り切って切り替えるだけでストレス原因が解消されます。
毒親育ちは総じて、断ることが苦手です。断っても良いということを認識し、少しずつ練習するとよいです。
3-2.行為に及んだ自分を責めすぎない
私はこれを二次災害と呼んでいます。
既に心が傷ついていて、それを自分自身でどうにか消化するために行為に及び、再度傷ついている。
そこに更に追い打ちをかえる「あんなことした私は…」と自分自身を責める。
これは必要ないことです。責めないでください。もう十分すぎるほどに傷ついてきたのですから。
3-3.行為の痕のケアは自分の気持に寄り添う
負のサイクルが回りだすと止まらなくなります。
ですので、自分を責めてしまいそうなときは、ただ、その事象を見つめて、自分の気持に寄り添ってあげる。
自分の気持への寄り添い方が分からなければ、「そうか。がんばりすぎたんだ」と自分の気持ちを認めてあげる。
そして、自分自身に、ごめんね。と言う。
そして、頑張って生きてきた私、えらい。と褒めてあげる。
心から思えなくてもいいです。でもやってみてあげてください。
まとめ
毒の人に育てられると、文字通り自分を見失います。
「あなたらしく」「わたしらしく」は、実は「毒親の求めるワタシラシサ」であることが多いです。
とても根が深い難しい問題ですが、気づけたら少しずつ少しずつ前に進むことができます。
解毒を進めることができます